12月某日、Y楽町で一人たたずむさえない男がいた。
男は、夢と希望を抱いてY楽町でストリートナンパ、通称ストナンを始めたが地蔵状態になってしまい、声掛けが出来ないでいた。
俺、何やっているのだろう。金も時間もかけてここまで来たのに、まだ一声かけもできてない。
落ち込んだ自分を責めれば、責めるほど気分は落ちていく。そして、言い訳が自動生成されてくる。
「可愛い子がいない」「自分には向いていない」「本当はそんなにやる気がない」「あの子は、多分ガンシカする」自然と出てくる言い訳が自分をさらに地蔵状態にしていった。
地蔵状態になると歩いている女性がもの凄く遠い存在に感じてくる。自分がこの町に拒絶されているような気分になる。
逆に気持ちが乗っている時は、自分がこの町の一部になっているような気分になる。
コリドーを通ると他のナンパ師が可愛い子達をナンパしている。
チャライ系や誠実系、ネタ系や不思議系のオープナー、様々な知恵を絞ったトークで女の子達を魅了している。
自分はその光景をただ見ていることしか出来ない地蔵状態のショボ腕ナンパ師。
もう帰ろうと思った。時間も金も無駄だとまた自分に言い訳をして逃げようとした。
ただ、少し飲んでから帰ろうと思ってHUBに寄った。そこで一人地蔵酒を飲んだ。
「一緒に飲んでもいいですか?」
横から急に声をかけられた。まさか、逆ナンパか?
振り向いた先にタイプの女の子がいると期待したが、そこにいたのは20歳後半位のスーツを着たサラリーマンだった。
なんだ、男か。期待した分落ち込んだが、話し相手もいなかったので一緒に飲むことにした。
名前も知らない男と一緒に酒を飲む。その時自分は、この男はどんなトークを聞かせてくれるのか期待した。
しかし、話してみると普通の男だった。ナンパされた女の子目線で男の話を聞いていたが、つまらないので自分のチャラ自己開示をしてみた。
すると相手の食いつきは上がっていった。多分、男からしたら遊んでいる男性というのは、羨ましく、一緒にいればメリットがあると思える存在なのだと思う。
ある程度話が盛り上がったが、終電の時間になったのでHUBを退店した。
店から出ると不思議な気分だった。自分がこの町の一部になっているような気分だ。
道を歩いている女性達、楽しそうに話している男女、全てが自分の仲間や友達のような気分になった。
この時、地蔵状態を脱出したと確信した。
今なら声掛けが出来るに違いない。しかし、既に終電の時間が迫っている。
考えたのは、終電まで電車を待ちながら駅でナンパを行うことだ。
駅に到着して案件を探す。椅子に座っている良い感じの女性を発見。
嘘のように身体が自然と動いた。隣に座ってすぐに声をかける。
電車が遅れていたので共通話題の間接法でオープン。
自然とトークができる。頭のキレも悪くない。
頃合いを見て、連れ出し打診を行う。結果は翌日予定グダ。
しかし、ライン打診に移行してラインゲットをすることができた。
とりあえず番ゲだが結果を出すことができた。それだけでも今日来た意味があったと内心ホットした。
そのまま終電の電車に乗り、今日のストは終わりかなと考えていた。
まさか電車内で初ゲットの子と出会うことになるとは、その時は夢にも思っていなかった。
電車内でウトウトしていると、隣に女性が座ってきた。
自分でも驚くほどスムーズに間接法のオープナーで話しかけていた。
結果は無事オープン。
自然と会話を続けていくと、自分と共通点を発見した。
詳しくは書けないが、そこから心理学用語でいうラポール構築は早かった。
時間もあっという間に過ぎていき、ただの女性から友人にその女性は変わっていった。
「今度日を改めて飲みに行こうか」と打診してラインゲット。
最寄り駅に着いたので、バイバイして帰宅した。
いつも通る帰り道を歩きながら今日一日あったことを回想していた。
地蔵して落ち込んでいた自分。逆ナン(男)されて少し気分が回復した自分。
電車内ナンパして気分が高揚している自分。たった一日なのに様々な感情に襲われた。
ナンパをしていると気分がジェットコースターのようになるのかもしれない。
これもナンパの醍醐味なんだろう。
To be continued

raiden

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