【前編】
「You have to trust that the dots will somehow connect in your future.」
(我々は今やっていることが、いずれ人生のどこかで繋がって実を結ぶだろうと信じるしかない)
By Steven Jobs
//眠らない町のホテル//
目の前で異国の美女が喘いでいる。
妖艶な身体をくねらせながら快感に身を委ねている。
彼女は俺に跨り、自ら腰を振り続ける。
俺も彼女との情事を味わう。
少しでも彼女の事を知ろうと五感を研ぎ澄ます。
彼女の反応を楽しみながら、快感という波に身を委ねていく。
彼女の声が徐々に大きくなっていく。
それは英語でも日本語でもない別の言語。
彼女のそれは徐々に大きくなっていく。
彼女は身体を激しく震わせて静かになった。
恐らく果てたのだろう。
それを見た俺は、意地悪な笑みを彼女に与える。
そして、彼女の弱い所をまた探していく。
夜はまだまだ長い。
こんな事が俺の人生に起こるなんて。
人生捨てたもんじゃないな。
//学生時代//
「英語なんて役に立たない」
10代の自分が英語に持っていた印象。
英語の授業が大嫌いだった。
英語は積み重ねる科目だ。
一度分からなくなると、授業についていけなくなる。
授業が始まってすぐついていけなくなった。
分からない事を、分からないと言える勇気もなかった。
テストはいつも平均点以下。
英語なんか大嫌いだった。
皆の前で教科書を読ませられる時なんて悪夢だ。
「英語なんて役に立たない」
この言葉を18歳になるまで言い続けた。
//某日//
最近はナンパをしていない。
私生活でナンパの事を考える機会も減った。
少しずつナンパから離れてきているのだろう。
予定が忙しかった事もあり、3週間ぶりのナンパ。
久しぶりのナンパに多くは求めない。
・・・地蔵しないよう頑張ろう。
いつもの町に到着する。
ローカルだが居心地が良い町だ。
ただ、今日はいつもと感覚が違う。
身体が重い。周りの空気も重たい気がする。
心臓の鼓動が早くなっていくのが分かる。
何故か懐かしい感じがした。
思い出した、これが地蔵の感覚だ。
3週間ぶりのストで、地蔵の感覚が戻ったらしい。
何故か嬉しかった。この感覚をしばらく味わう。
呼吸をゆっくりして、重くなった身体に指令を送る。
さて、そろそろ満足したかな。
この空気を変えていこう。
声をかける女性を発見する。
身体は相変わらず重い。
さぁ、考える前に動け。
頭が回転する前に身体を動かす。
雷「こんばんは」
女 「・・・」
女性の反応は無視だった。
粘らずあっさり放流する。
足を止めて自分の身体に耳を当ててみる。
身体にまとわりついていた、重たい空気は軽くなっていた。
どうやら地蔵を克服したみたいだ。
これなら連れだし位は出来そうだな。
今日のマインドは、即を求めすぎない。
即という結果を見るのではなく、声をかけた目の前の女性を見る。
そして楽しい時間を作る努力をする。
それが今日の目標だ。
即という結果に振り回されて、目の前の時間を楽しめなかったら最悪だ。
今日のマインドはこれに決めた。
声掛けを再開しよう。
暫く声かけを続けると、運命の相手に出会う。
目の前を異国の美女が歩いてきた。
この町には不自然過ぎる存在だ。
自分には不釣り合いな美女だった。
その美女はラフな格好をしていた。
化粧も薄く、今からデートという感じではない。
但し、一瞬で美女だと分かる西洋系の整った顔立ちだ。
化粧など薄くても、美人には関係ない。
声をかけようか一瞬迷った。
外国人を連れ出すのは簡単だが、即までは遠い。
今日の「即を求めすぎない」マインドを思いだす。
美女に向かって歩き出す。
大嫌いだった英語を使って話しかける。
雷「何でそんな重たそうな物を持って歩いてるの?それ何?」
※会話は全て英語
女「あそこで買ってきたマットレスなの。重たいわ。笑」
雷「綺麗な人がそれ持って歩いてたら怪しいよ。笑」
彼女が笑った。
笑った顔は本当に美しかった。
雷「どこまで行くの?それ俺が持ってあげるよ。」
女「本当に?嬉しいわ。」
雷「ママから、困っている美人がいたらすぐに助けなさいって言われてるから。」
女「良いお母さんね。笑」
重たいマットレスを持ちながら平行トーク。
彼女は日本に留学で来ており、1ヵ月前に日本に引っ越してきた。
彼女は楽しそうに話す。
その雰囲気に自分も楽しくなってしまう。
気付けば目の前の会話に夢中になっていた。
雷「家はこっちであってるの?」
女「え、駅はこっちじゃないの?」
家に向かって歩いているつもりが、間違っていた。
彼女の目的地は駅だった。
駅から大分離れてしまったので、コンビニでお酒を買って休憩。
なぜ日本に興味を持ったのか聞く。
顔を赤くして、恥ずかしそうに答えてくれる。
その理由を聞いて不謹慎ながら笑ってしまった。
彼女が怒った顔で見つめてくる。
そんな大きな瞳で覗き込んでくるのは反則だ。
上手く誤魔化して、彼女の夢の続きを聞いた。
日本に来るのは、昔からの夢だったらしい。
彼女の目が輝いていた。
夢を語っている時、人は本当に良い顔をしている。
彼女の姿が昔の自分と重なった。
俺も昔はこんな顔をしていたのだろう。
話が途切れないので、買ったお酒がなかなか減らない。
飲み終わってすぐ駅に歩き出す予定だったが、30分近く話していた。
雷「せっかく出会ったんだから、この後飲みに行こうよ。」
女「うん。いいわよ。」
雷「マットレスを家まで届けて最寄り駅で飲むか、この町で飲むか、どっちがいい?」
女「最寄り駅がいいわ。でも、まだ町の事詳しくないわ。笑」
雷「とりあえず、このクソ重たい荷物を置きに行こう。」
女「分かったわ。」
彼女が住む都内に向かうことが決まった。
今日は、最高の金曜日になりそうだ。
長くなるので前編はこれくらいにしておく。
以上。

raiden

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